キッチンの排水管の水流を悪くさせ、ついには詰まらせてしまう最大の要因は油です。
天ぷらなど揚げ物に使用した油をそのままシンクに流すのは絶対にやめてください。排水管を詰まりやすくするだけではなく、環境への悪影響も甚大です。
市販の油凝固剤で固めて捨てる、古新聞・使用済み紙タオルなどに吸収させ、油漏れしない入れ物(牛乳などの紙パック、ビニール袋など)に入れて捨てるといった、適切な捨て方で処理してください。
油を適切に処理していても、食器や鍋にはかなりの油分が残っており、中性洗剤で分解してもなお、多少は残ってしまいます。長期的には、それが排水管内で層をなし、固まって排水の通り道をせまくし、ついには詰まらせます。
常日頃から、ちょっとした工夫を重ねておくことで、排水管詰まりのリスクは大きく軽減できます。
やっかいな詰まりは、できることなら予防するに越したことはありません。
排水管の詰まり全般について言えることですが、まず大事なのは、
できるだけ早め早めの対処をしよう!
ということです。
完全に詰まってしまうまで無自覚に使い続けるのではなく、「あれ? ちょっと流れがにぶくなった気がする」と感じたら、もうその時点で対処するのです。病気と同じで、早期発見・早期治療の方が安全・安価で解決も早く、生活の質(QOL)も保てます。
それでは、詰まってしまった、または詰まる兆候が見えてきたときの対処を、簡単でコストのかからない順に見ていきましょう。
まず、お湯とタオルを使う方法があります。排水口のネットとトラップを外し、排水管の入り口が見える状態にします。そして、タオルの端をこの入り口に詰めます。このタオルはあとで引っ張りますので、もう一方の端はシンクの外にたらしましょう。
この状態でシンクにお湯を注ぎます。湯温は70度程度。あまりに高温だとシンクと排水管をいためます。
シンクの7分目から8分目くらいまでお湯を満たしたら、一気にタオルを抜きます。すると、お湯が排水管に付着した油分を溶かし、押し流します。
流れがよくなったら、仕上げにパイプクリーナーや重曹を使って洗浄します。
トイレで活躍するラバーカップですが、キッチンの排水管でも使えます。
使い方はトイレのときと同じです。カップと排水口まわりができるだけ密着するようにして、押し込んで空気を抜き、一気に引き上げて負圧をかけます。
これでダメならもっと強力なもので……というのもトイレの場合と同じで、キッチン排水管に対応したローポンプもあります。これを使うのも一案です。
ワイヤーもまた、使えます。トイレよりも管が細いので、トイレ用とは別の太さ・剛性のワイヤーが売られていることもあります。
詰まる兆候が見えてきたときに使うと有効なのがパイプクリーナーです。一般家庭向けのパイプユニッシュや、プロも使うような強力タイプのピーピースルーまで、さまざまな製品がありますが、その効果を高める方法があります。
手短に言うと、温めることです。
このように、温度を上げることによって化学反応を促進し、それぞれの洗剤の洗浄力を向上させるのです。