テープ以外の水漏れ対策法もさまざまにあります。引き続き見てまいりましょう。
建物の部材のすき間に対して、気密性や防水性を高めるために樹脂でできた充填材を注入することを「コーキング」といいます。別に「シーリング」という言葉もあり、ややこしいのですが、コーキングは「詰め物をすること」、シーリングは「密閉すること」という意味で、具体的な工事作業には大きなちがいはないので、ほぼ同義と考えて大丈夫です。充填材としては、シリコン系やポリウレタン系の樹脂などが使われます。
自己膨潤テープはコーキングに使われることもあります。貼り付けると自発的に膨潤(ふくらむ)して、すき間を埋めるわけです。
補修用の「パテ」です。陶器・磁器のひび割れ補修、ガラス水槽の水漏れ補修、池の底の水漏れ補修などに用います。水中でもセメントのように固化するタイプもあります。
液体のシール材です。シールテープと同様に、ネジとネジとの間を充填して気密性・防水性を高めるはたらきをします。ねじ込む前に液をネジ山に塗るだけなので、テープを巻きつけるよりも作業が楽で早くなります。
水漏れ箇所をカバーする部材・用材のことで、テープやパテ、コーキング材、シーリング材などを広く指します。
「補修材」と重なるところもありますが、亀裂や穴をふさぐために充填するものを指します。すき間を埋めるものばかりでなく、表面の色あせなどを原状に近く見えるように塗る塗料も含まれてきます。
シール材と一体化したボルトやナットです。そのままねじ込むことでシール材がネジ山どうしの間にわずかにあるすき間を埋め、気密性・防水性を高めます。
「ワッシャー」はボルトのヘッド部と被締結物の間にはさむ環状の金属片のこと。日本語では「座金」といいます。
ヘッド部の接触面よりも広い面積で締め込み圧力を分散させ、ねじ込まれた部位の陥没やゆがみを防止し、ボルトのゆるみを予防する効果があります。水回りではステンレス製の「防水ワッシャー」というものがあり、雄ネジと雌ネジの間に浸透する液体の漏れを防ぐ役割を果たします。
両者とも気密性、液密性を高めるために用いるシール材である点では同じです。両者のちがいをひとことで言うと、「ガスケットは動かないところの漏れ止め」、「パッキンは動くところの漏れ止め」です。
ガスケットは、配管用フランジなどパイプのジョイント部に使われます。
これに対し、パッキンは、容器のふた部分や水栓・バルブのコマなどに用いられます。